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わたしを見ないで
第3章 まさかの再会
 先生はまるで生徒を叱りつけるように、パンイチのままわたしを指差し、低くてよく通る声で高圧的にわたしを睨みつけながら言った。


「君ね?最初におれに気付いてたんなら、まずは店に相談すべきだったんじゃない?
 大嫌いなおれの相手をするのが嫌だったらその時点で店に言えばよかっただろ?
 おれを見た瞬間何も言わずに奥に引っ込んでくれたら、おれだって余計なことを知って嫌な気分にならずに済んだんだ。
 おれだって元生徒に風俗遊びを知られて、わりと心にダメージ負ってるんだよ?
 だいたいおれはエレベーターで君がカミングアウトするまで何も知らなかったんだ。黙っときゃいいのに、自分から元教え子だって暴露してきてさ!
 こっちだってサイアク!
 でもね?君が引き返す素振りを全く見せないから、元担任相手とはいえ君が問題なくプロとしてサービスに徹する覚悟があるんだと思って“へースゴイ根性シテンナー”と思いながら君の意志に従ってここまで着いてきてあげたんだからね?
 そういうわけだけど、なにか反論ある?
 おれが君にサービスを望むのは真っ当な主張だと思うけど?
 ここまで来たのは君の意思なんだから!
 今更被害者ヅラするのはやめてほしいね!」



 …橋田壽賀子なみの長台詞を噛むことなく淡々とまくしたてることが出来る八田先生に、わたしはある意味感心した。



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