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わたしを見ないで
第4章 指名返し
 先生の心臓の音が聴こえる。
 黙り込んでる先生の乳首をいじると先生はふふっと笑った。


「つまり、迷惑ってこと?」


 先生のせりふに顔を上げると、先生はあくびをしているところだった。大口開けてたって先生は男前だ。悔しい。


「そりゃ迷惑だよ。こないだなんか勝手に中に出してさ。ピル飲んでるから良かったけど、次の日出勤前に病院行って性病検査したんだからね」


 文句を言いながら先生の股間に手を伸ばそうとしたら、その手を先生が阻止するみたいに掴んだ。


「そうか。じゃあ今日限りにしとくよ」


 パッと顔を上げて「うそだよ」と言った自分が不思議だった。先生の言うとおり本当に“風俗嬢としての”箔がついてきたのだろうか?
 あれだけ嫌いだった先生に、


「ごめん、ほんとに冗談、まさかまた会えるなんて思いもしなかったから、めっちゃ嬉しいの」


 取り繕ってる自分が不思議だった。
 相手は…
 わたしの惨めな初恋すらも知っていた、わたしの嫌いな、わたしを嫌っている…八田先生なのに。


「ほんとにほんとに嘘だからね。
 言い返してくれるかなって思って甘えちゃって…ごめんなさい」


 わたしが謝ると八田先生は案の定いつもの陰険な顔でニヤッと笑って、もう一度わたしを抱き締めたまま転がって体勢を逆転させ…当たり前みたいに、セックスを始めた。




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