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わたしを見ないで
第2章 嫌いな担任
「はじめまして…みるくです。ご指名ありがとうございます、よろしくお願いします…」
わたしは半ば呆然としながら、目の前にいる八田先生を見上げ、やっとの思いで挨拶をした。
八田先生は切れ長の並行二重の目元と歯並びのきれいな口元を少しニッコリさせて、低い声でわたしに、
「はい、よろしく」
と返事をしてくれた。
だから余計に思い出す。
八田先生はなにか生徒に頼むとき、今みたいに「はい、よろしく」って言ってた。
間違いない。
間違えるわけない。
いま目の前にいるのは、中学3年生のとき担任だった八田先生だ。
マジで大嫌いだった、あの八田先生だ…。
『君はお姉ちゃんに比べたら容姿も頭脳もずいぶん劣るね?顔なんか特に姉妹だとは到底思えないよ』
あの日の先生の一言が脳裏に蘇る。
先生のクラスになってすぐ投げ掛けられたその一言は、優秀なお姉ちゃんへコンプレックスを強く抱くきっかけとしては十分すぎるものだった。
あのときの気持ちは一生忘れない。
人の心をズタズタにしたくせに、陰険な目でいやみったらしくニッコリしていたのが何よりムカついた。
先生とまともに口を利いたのはあれが最初で最後だったはずなのに。
あれから3年経ったいま…
まさかこんなところで…
まさか風俗嬢と客として再会する日が来るなんて…
ビックリ仰天だった。
わたしは半ば呆然としながら、目の前にいる八田先生を見上げ、やっとの思いで挨拶をした。
八田先生は切れ長の並行二重の目元と歯並びのきれいな口元を少しニッコリさせて、低い声でわたしに、
「はい、よろしく」
と返事をしてくれた。
だから余計に思い出す。
八田先生はなにか生徒に頼むとき、今みたいに「はい、よろしく」って言ってた。
間違いない。
間違えるわけない。
いま目の前にいるのは、中学3年生のとき担任だった八田先生だ。
マジで大嫌いだった、あの八田先生だ…。
『君はお姉ちゃんに比べたら容姿も頭脳もずいぶん劣るね?顔なんか特に姉妹だとは到底思えないよ』
あの日の先生の一言が脳裏に蘇る。
先生のクラスになってすぐ投げ掛けられたその一言は、優秀なお姉ちゃんへコンプレックスを強く抱くきっかけとしては十分すぎるものだった。
あのときの気持ちは一生忘れない。
人の心をズタズタにしたくせに、陰険な目でいやみったらしくニッコリしていたのが何よりムカついた。
先生とまともに口を利いたのはあれが最初で最後だったはずなのに。
あれから3年経ったいま…
まさかこんなところで…
まさか風俗嬢と客として再会する日が来るなんて…
ビックリ仰天だった。