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掃き溜めの星屑
第1章 掃き溜めの星屑
 彼氏の家に泊まると言うとお母さんは怪訝な顔をするけど、最近は文句までは言ってこない。
 変に禁止してわたしに自傷されるほうが面倒だからだ。


 真っ暗い天井に向かって伸ばしているわたしの腕の自傷跡を指で1本1本なぞっている池田くんに、わたしはちょっと笑いながら言った。


「もしわたしが居なかったら、さっきの女の子の一人くらいとヤッてたんじゃない?」


 ライブハウスからわたしたちは自転車で1時間半かけて、池田くんのアパートに行った。
 芋臭い女の子相手にキョドりまくってた池田くんに抱かれるのは、なんだか不思議だった。


「まさか」


 池田くんは一番新しい自傷のカサブタをかりかりしながら、わたしに切実に囁いた。


「これ以上誰にも俺を知られたくない。怖い」


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