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地味子が官能小説を書いたら
第4章 恋に落ちたら
文剛の部屋に入ると、不思議な感覚とらわれた。

(なんだろう……懐かしい……まだ二回目なのに)

私が荷物を置いていると、文剛がキッチンへ向かって何か用意していた。

慌てて、私はバケットバックに入ったお弁当をもって台所へと向かう。

先週、ここには入っていない。対面式のキッチンで、シンク・カウンターからリビングが見渡せるようになっている。

「早川君、手伝うよ。お弁当、ここに置かせてね」と言って、私はカウンターにお弁当を置いた。

「飲み物を用意しようと思って」

そう言って、文剛は冷蔵庫を漁っていた。


「わたし、グラスを用意するよ、グラスは、ここ?」

システムキッチンの反対側に食器棚がある。私は、そこからグラスを二つ取り出す。

こうやって二人で台所にいると、なんだか、夫婦みたいな感覚に陥り、つい口角が上がってしまう。


もう、今日は何度思っただろう?



(楽しい)



「ありがとう、ジュース、どれが良い?オレンジとアップル、それとコーラ」

と言いながら、文剛は全てのボトルをカウンターに並べる。

「わたしはオレンジジュースを貰おうかな。文剛君は?」




と、言ってしまって、私は固まる。


(今、名前で呼んでしまった!!!)

あれだけ、今日はやらかさないように誓ったのに、今のは、まるで彼女気どりだ。

(ああーーー、バカ、わたしの馬鹿、ばかーーー)本日1回目の罵倒をする。


真っ白な灰になりかけた私だったが、文剛は無反応だった。

「僕は、コーラにしようかな」文剛は何事もなかったかのように、コーラをグラスに注ぐ。私も慌ててオレンジジュースをグラスに注いだ。


(あれ、聞こえなかったのかな?)

(それとも、気づかなかったのだろうか?)


少し戸惑っていた私だったが、次の瞬間、ズギューンと胸を撃ち抜かれる。

「僕が飲み物を片付けるから、花音ちゃん、グラスをテーブルの方へ運んでくれる?」


(なに、今、わたしのこと名前で呼んだ!)

私は、完全に真っ白な灰になり、C-3POみたいに、カクカクとリビングの方へ歩いて行った。


文剛は、まだ台所で何かしていたが、やがて戻ってきて、テーブルの上にポップコーンの入ったボールを置いた。

「今日はまず、映画を観ようと思って」

「だから、ポップコーン」と言って、文剛は笑った




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