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地味子が官能小説を書いたら
第6章 悲しみ深すぎて
『なるほど……』

『つまり、まとめると、こういう事ね
①カノンは官能小説を”賞金欲しさに”書いている
②その官能小説執筆に、その”文剛”とかいう男が協力を申し出た
③文剛は、お金持ちの長身イケメン男子
④文剛にはカノン以外の好きな人がいる
⑤カノンは不覚にも文剛が好きになってしまった
⑥カノンと文剛はキスをした
⑦文剛は嫌がるカノンを裸にして手籠めにしようとした』

「なんだか、身も蓋もないいい方だけど……概ね合ってる」

『カノン、目を覚ましなよ』千佳の声が冷たい。

「う、うん」

『だって、他に好きな人がいるって堂々と言って、それでカノンとエッチしようとしたんでしょ?』

「うん、でも、わたしがそうしても良いって言ったの」

『はあ~、だから、目を覚ましてって言ってるの』

『わたし以外の誰が聞いても、同じことを言うと思うよ』

『だって、わたしの”まとめ”が間違っていなければ、どう考えたって”ゲス”じゃない』

「ゲスっていうのは言い過ぎだと思う」

『はあ~、恋は盲目とはよく言ったものだ』

『まあ、恋愛経験豊富なわたしからのアドバイスを聞いて』

「あはは、千佳だって彼氏できたことないじゃない」

『ヒドイ!おとっつぁん、それはいわない約束でしょ』

「いや、それはいいから、アドバイスを聞かせて」

『文剛は、好きな人がいるけど、付き合ってるわけじゃないんでしょ?』

「うん、そうだけど」

『だったら、カノンの勝ちだよ』

「ええ~、そうなの?」

『そうじゃない、だって、エッチまでした女の子が家に入り浸っているのに、告白したところで相手にされる理由ないじゃない』

「あ、でも、わたし、文剛君がその女の子に告白できるように手伝うって言っちゃった」

『この、ばかも~ん!どこまでお人よしなのよ、カノンは!』

「その時は、まだ文剛君を好きになる前だったんだよ」

『そんな約束、反故にしちゃいなよ』

『誰が何といっても、カノンは文剛の事が好きなんでしょ?』

「うん」

『だったら、戦いなよ』

「うん」戦うなんて、私にできるだろうか?心細さしかない。

『あと、今日の別れ方は最悪だったと思うから、早急に仲直りすること』

「うん」

『それから、エッチしても良いと思っているなら、ちゃんと覚悟して挑むこと』

『頑張れ、カノン』




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