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地味子が官能小説を書いたら
第8章 いつわりの日々
「花音先輩、なんか無理してないっすか?」

給湯室でコーヒーの支度をしていると、ポツリと流留が言った。

「む、無理って、なによ」

「う~ん、上手く言えないけど、花音先輩とは知り合ったばかりだし、俺の見当違いかもしれないけど、なんか違和感を感じるんですよね」

私の手が止まる。

確かに、ここ数日の私は無理をしている。

もっと自分を変えて、もっと多くの人と積極的に関わろうと行動しているが、人間がそう簡単に変われるものではない。


本当の私は、地味で弱虫で、なにか行動を起こす度に後悔して、メソメソするダメな人間だ。

ここ数日、積極的に行動しているのは。一日でも早く文剛を自分の中から追い出したいと思っているからだ。


「さっきも、なんか急に表情が曇って、コーヒー淹れに行くなんて言い出すし」
「どこか遠くを見ているような気がするんですよ」

「なんか、素を出してないっつうか……」

「なによ、わたしが自分を誤魔化してるとでもいうの?年下のくせに生意気言って」

つい、核心を突かれ、私は理不尽な反論をする。

「年下って言っても1コしか違わないじゃないすっか」

「その違いが大きいのよ、わたしだって、こんなこと平気でできちゃうんだから」

(抱きついて動揺させてやる)



「あわわ、何するんすか?花音先輩、突拍子もない」

見栄を張ったものの、男の子にこういうことをするのは文剛以来だ、そして、自分でやっておきながら、押し寄せる感情に、後悔する。


「そういうのが、無理って言うっすよ」

私は何をやっているのだろう、文剛を忘れたいのに、ふとした自分の行動で彼を思いだして、メソメソの実がなる。


「ご、ごめんなさい、ちょっとふざけ過ぎた」私は流留から離れる。


「俺、頼りないし、まだ花音先輩のこと良く知らないけど、花音先輩が好きです」

「な、なによ、からかって」動揺を抑えつつ、強がる。


「今はダメでも、いつか花音先輩が頼れるような男になりたいっす」
「だけど、今は電柱として使ってください、俺の胸で良ければ、いつでも貸します」

(まったく……いっちょ前に……)

直立不動の流留の胸に、ちょこんと頭を預け、私はメソメソと泣いた。

いうたい、どうしたら、こんな感情を無くすことができるのだろうか?

「日曜日、何を食べたい?」

「カレーっすかね」




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