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ハニードロップ
第2章 本物

「大好き、奈子ちゃん」

 優しい声。もう誤解しない。この人を、三木村博也という人を。私はもう、見失わない。

「オエ、鳥肌立つわ」

 その声にハッとする。ここ、芦屋くんの店じゃん。吉村もいるじゃん……!

「み、三木村さん、ここ、外!」
「やだ」

 胸を押しても、三木村さんは腕の力を強くするだけ。やだって、可愛いんだよもうー!!

「奈子ちゃん、明日仕事?」
「あ、明日は休みでいいっす。コイツ3ヶ月もろくに休み取ってないんで」

 か、勝手に決めるな吉村!!何故か自己紹介をし合っている三木村さんと吉村。有給取るって伝えとくから、とバチコーンとウインクされた。

「俺も明日休みなんだ。だから今日こそ、いっぱいえっちして、一緒に寝て、一緒にご飯食べて、一緒にお風呂入って、またえっちして、ディナー食べて、またえっちしよ!」
「え、えっと……」
「もちろん、恋人同士の甘ラブえっち。いいよね?奈子ちゃん」

 い、色気がすごい……!頷くほかなくて、頷いた。でも何だかすごく、幸せだ。
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