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ハニードロップ
第3章 信じて
私は今、黒塗りのミニバンの中でさっきの男の人と向き合っている。正確には、運転席に座っている彼が後部座席に座る私を振り返っている。初対面の男の人、そしてこんな怪しげな車に乗り込んだのは、彼が差し出した名刺に三木村さんが所属する事務所の名前が書かれていたからだ。
「北山奈子さん」
名前を知られている。つまり、私の個人情報が一つ漏れている。どこまで知られているのだろうか。三木村さんとの関係?ホテルに入り浸っていることも?別れさせられるんだろうか、どうしよう……
「私は三木村のマネージャーの利根というものです」
「はぁ……」
「いつも三木村がお世話になっています」
「こちらこそ……?」
マネージャーさんが一つため息を吐いて、口を開く。ひゅ、と息を呑んだ。
「本当は会社まで行けと言われていたのですが、私の身分を他人に知られるわけにはいきませんでしたので少し後を着けました。申し訳ありません」
「い、いえ……」
会社まで行け、誰に言われたのだろう。まさか、事務所の社長とか?わ、私誰にも知られず殺されるなんてこと……?!
「三木村が、あなたから連絡が来ない、きっと嫌われたんだ、奈子ちゃんに嫌われたら生きていけない、仕事やめると喚きまして」
「……はい?」
別れさせられるようなことを言われるとばかり思っていたから、予想外の言葉に一瞬フリーズした。えーっと……
「北山奈子さん」
名前を知られている。つまり、私の個人情報が一つ漏れている。どこまで知られているのだろうか。三木村さんとの関係?ホテルに入り浸っていることも?別れさせられるんだろうか、どうしよう……
「私は三木村のマネージャーの利根というものです」
「はぁ……」
「いつも三木村がお世話になっています」
「こちらこそ……?」
マネージャーさんが一つため息を吐いて、口を開く。ひゅ、と息を呑んだ。
「本当は会社まで行けと言われていたのですが、私の身分を他人に知られるわけにはいきませんでしたので少し後を着けました。申し訳ありません」
「い、いえ……」
会社まで行け、誰に言われたのだろう。まさか、事務所の社長とか?わ、私誰にも知られず殺されるなんてこと……?!
「三木村が、あなたから連絡が来ない、きっと嫌われたんだ、奈子ちゃんに嫌われたら生きていけない、仕事やめると喚きまして」
「……はい?」
別れさせられるようなことを言われるとばかり思っていたから、予想外の言葉に一瞬フリーズした。えーっと……