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ハニードロップ
第5章 人生のゴール
「おかえりなさいませ、北山様」
「こんばんは、神部さん」
「三木村様がお部屋でお待ちです。ディナーも用意してありますので」
「うわあ、ありがとうございます」
最近、田所さんと同じくらいよく会うのが神部さんという30代くらいの若い男の人。大人の魅力を持つイケメンだ。
こんな人にもシーツをたくさん消費していることを知られているなんて、とっても恥ずかしい……。
神部さんに礼をして、スイートルームに続くエレベーターに乗る。エレベーターに乗っている間もそわそわそわそわ。そしてエレベーターを降り、部屋の鍵を開ける。
「奈子ちゃん!!」
ドアの前で待ち構えていたらしい博也くんにぎゅうっと抱き締められた。
「ごめんね、連絡全然返せなくて……」
「めちゃくちゃ心配だったけど、奈子ちゃんの顔見たら全部吹っ飛んだから大丈夫……」
ちゅ、ちゅ、と顔中にキスをされる。テレビや街に貼ってあるポスターや広告なんかで顔はよく見ているけれど。
「やっぱり生の博也くんが一番かっこいい……」
「ん?」
「いつもキリッとしてるのに、今はふにゃっとしてるね」
「奈子ちゃんが可愛いからね〜。俺の癒し……」
「博也くんの顔は日本中の人が見られるけど、ぜーんぶ見られるのは私だけ……?」
「そうだよ奈子ちゃん。俺の裸も、イく時の顔も、全部全部見られるのは奈子ちゃんだけ……。濡れちゃった?」
「うん……」
「えっちだなぁ、奈子ちゃんは。晩ご飯食べたらいっぱい気持ちいいことしよ?」
「今日は甘いのと激しいの、どっち……?」
「どちらでも。奈子ちゃんが好きな方。めちゃくちゃイッちゃう方にしよ」
美味しいディナーの間も、二人の間には濃密な空気が漂っていたのである。