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Devil Temptation
第16章 天使とアニメとエスカルゴ
パリに着いて、待ち合わせの時間まで、杏と街をぶらついてみた。コスプレで街を歩く若い子達が目に付く。
「あれは日本のアニメのコスプレですね。コスプレショップもあるらしいですよ」
「そうなんだ。あのコスプレなんか、杏ちゃんに似合いそうだよ」
俺はそう言って前から歩いてくるコスプレ少女を見た。
「社長、からかわないでくださいよ」
杏は恥ずかしそうに照れ笑いをする。こんな時の杏は日頃のスーパーレディとは思えないほど可愛い笑顔を見せるのだ。
ホテルでの契約は前回同様に順調だった。その場で最初の注文書をもらった。
「400,000EUR?」
「この会社が取引先では、1番大手になります」
杏が小声で囁いた。
すると、紙袋を杏に手渡し、何やらフランス語で話している。
「社長、この商品を日本で作って欲しいそうです。OKしますね」
「D'ACCORD.」
「Merci beaucoup. Je vous remercie.」
俺達は立ち上がると、握手を交わした。杏は先方の社長に思いっきりハグをされ、一緒にいた秘書の女性が怪訝な顔を見せていた。
俺たちは部屋に戻ると、フロントにランチをオーダーした。
「40万ユーロってどのくらいなの?」
「今のレートだと…5000万円くらいですね」
「5000万…凄い」
ヨーロッパ中に支社を持つ、日本のアニメグッズを中心にした事業を展開している大手企業で、今度日本の工芸品にも手を出そうとしているらしい。
「さっきの日本で製品化するってどんな物なんですか?」
「これですよ」
杏が袋から出して俺に広げて見せた。
「これってコスプレの…」
「そうです。さっきの社長、これを着て今夜デートしようって言ってました」
「げっ!ナンパしてきたの?」
「だから、今夜はフィアンセと過ごしますと言っておきました」
そう言って杏はニコニコしていた。
「フィアンセ?」
「嘘も方便ってやつですね」
「あれは日本のアニメのコスプレですね。コスプレショップもあるらしいですよ」
「そうなんだ。あのコスプレなんか、杏ちゃんに似合いそうだよ」
俺はそう言って前から歩いてくるコスプレ少女を見た。
「社長、からかわないでくださいよ」
杏は恥ずかしそうに照れ笑いをする。こんな時の杏は日頃のスーパーレディとは思えないほど可愛い笑顔を見せるのだ。
ホテルでの契約は前回同様に順調だった。その場で最初の注文書をもらった。
「400,000EUR?」
「この会社が取引先では、1番大手になります」
杏が小声で囁いた。
すると、紙袋を杏に手渡し、何やらフランス語で話している。
「社長、この商品を日本で作って欲しいそうです。OKしますね」
「D'ACCORD.」
「Merci beaucoup. Je vous remercie.」
俺達は立ち上がると、握手を交わした。杏は先方の社長に思いっきりハグをされ、一緒にいた秘書の女性が怪訝な顔を見せていた。
俺たちは部屋に戻ると、フロントにランチをオーダーした。
「40万ユーロってどのくらいなの?」
「今のレートだと…5000万円くらいですね」
「5000万…凄い」
ヨーロッパ中に支社を持つ、日本のアニメグッズを中心にした事業を展開している大手企業で、今度日本の工芸品にも手を出そうとしているらしい。
「さっきの日本で製品化するってどんな物なんですか?」
「これですよ」
杏が袋から出して俺に広げて見せた。
「これってコスプレの…」
「そうです。さっきの社長、これを着て今夜デートしようって言ってました」
「げっ!ナンパしてきたの?」
「だから、今夜はフィアンセと過ごしますと言っておきました」
そう言って杏はニコニコしていた。
「フィアンセ?」
「嘘も方便ってやつですね」