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Devil Temptation
第19章 天使に乾杯
シドニーのホテルのロビーでのミーティングは、予想通り難航していた。平行線のまま20分らい過ぎた頃、杏が諦めた様に話し出した。

「それでは、もう少しお時間をとって検討すると言うことですよろしいですか?」

相手も仕方ないと言った表情で返事をした。契約に関してはインターネットでも可能である事を伝えて立ち上がると、社交辞令的に握手をした。
先方の社長が予想通り聞いてきた。

「いつ御帰国の予定ですか?」
「これからメルボルンに移動して、明日の昼ごろの便で帰ります」

俺は何気に手帳を見ながら答えると杏の顔を見る。
杏もそうですという様に軽く頷いた。

「観光ですか?」

と相手が探りを入れてきたので、

「そんなとこです」

俺は作り笑いで答えておいた。
その後一応メルボルンに移動して、ホテルで夕食をとって待機した。

「社長どうでしょう、乗ってきますかね〜?」
「多分来るでしょう…単なる感ですが…」

俺は先にシャワーを浴びることにした。これで最後の契約がうまくいけば気持ち良く日本に帰れるのだが…
バスタオルを腰に巻き付けシャワールームを出ると、まだ濡れた身体に杏が抱きついてきた。

「社長〜すご〜い!」
「杏ちゃんどうしたの」
「契約できました!」
「やったね!」

こっちの思惑通りに話しは進み、一千万円程の注文ももらう事ができた。これで気持ち良く帰国できる。取り敢えず俺たちはシャンパンで乾杯しビール、ワインと飲み継いで、完全に意識を失ってしまった。俺が目覚めたのは翌日の昼過ぎで、杏も流石にまだ起きていない。そして何故か二人はソファーで毛布に包まり全裸で寝ていた。空になった空き瓶に着ていた服や下着が絡みあっていた。やむ終えず俺たちは、帰国を一日延期した。



To be continued .........
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