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第4章 悪魔と引っ越し

和也はほっとしたように

「それでは現金でお願いします。」
「わかりました。では明日ご契約でも構いませんか？…代金もその時でよろしいですか？」
「はい大丈夫です」
「それでは、現金、免許証、印鑑をお持ちください。手数料、消費税込みで2350万円になりますが、大丈夫ですか？」
「わかりました。」

明日10時にここでお待ちしています。ありがとうございました。」
翌日、時間にマンションに行って見ると、昨日の女性ともう一人男性が待っていた。
契約書内容の説明と書類作成を男性が担当し、女性は現金を数えていた。数枚に及ぶ約款を朗読していたので、1時間以上かかった。
最後に駐車場の場所とセキュリティについての説明を聞いて終了した。

「これで、契約は終了です。住所変更はお早めにお願いします。」
「帰りに役所で、住所変更をしていきます」
「それがいいですね。何かお困りの事やご要望がありましたら、どんな事でもご相談に乗りますので、ご遠慮なくご連絡ください」
「ありがとうございます」

俺は帰りに役所によって住所変更を済ませた。そして引越しに使うワゴン車を借りた。百貨店で寝具を買って配達も頼んだ。
翌日、朝から引越しを始めた。元々あの箱達以外はあまり荷物が無かったため、半日もかからず引越しは終わった。お願いしてあった寝具の配達とセッティングも終了し、暗所番号キーが付いている納戸に箱達も収まっている。残りの荷物は寝室に全て収まってしまった。
俺は真新しいベッドに横になり、天井を眺めた。今後の事について思いを巡らした。何か簡単な商売を始めた方が良いのではと考えたが、中々思い付かない。そこに携帯電話の呼び出し音が響いた。

「はい、水島です」
「榊原です。お引っ越しの荷物は片付きましたか？」

明るい調子の口調で、こっちも思わず笑顔になる。

「ええ、なんとか。元々少ない荷物なので…」
「そうですか。それはよかったです。どこか使ってみて、都合の悪いところはありませんか？」
「今のところは大丈夫です」
「よかった。何かあったら直ぐにご連絡ください」
「あの〜…ちょっとご相談が…榊原さんに言って良いかわからないのですが…」
「なんでしょう？」

俺も何故か衝動的に言葉を発していた。彼女には話しやすい何かがあるのかもしれない。