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Devil Temptation
第6章 悪魔の使用方法
「まず、京介さんの考えを聞かせて下さい。夢でも想像でも妄想でも何でも思っている事言って下さい」

杏はそう言って、俺を包み込む様な笑顔を見せた。
俺は脈略も根拠も無く、箇条書きの様に言葉を発していった。

・これだけの現金を使う為には、収入が必要
・オフィスだけで営業できる仕事
・人に迷惑を掛けない仕事
・人に喜んでもらえる仕事
・夢は海外旅行(世界10周日本も含む)

「今はこのくらいしか考えてないけど…」

俺は自信無く、ちょっと下向き加減に呟いた。

「大丈夫。充分ですよ。京介さんの考えは具体的ではありませんが要点は伝わりました」

そう言うと、杏は携帯電話で何やら調べ始めた。そしてメモをすると、次々に電話をかけていった。その中には、英語での会話も数件あった。

「京介さん、海外との取引を中心とした仕事ですがどうでしょうか?」
「えっ海外?そんな事できるの?」
「大丈夫です。それに視察という事で海外旅行も行けますし…どうですか」

俺は「海外旅行」という言葉にOKサインを出した。

「それでは社名を決めて、会社を設立しましょう」

突然言われても…俺はしばらく考えて

「俺の名前じゃダメかな?」
「京介さんの名前ですか?」
「そう…「AK•MIZUSIMA 」なんてどうかな…」
「いいですね。AKの意味はなんですか?」
「all kewl 全部カッコいいみたいな…本当はcoolなんだけど、kewl はスラングらしいけど…又は…杏と京介の頭文字でもあるし…」
「えっ」
「だって杏さんも一緒に会社やってくれるでしょ、だから」
「はい!いいですね。頑張りましょう」

杏の言葉は力が入り、やる気が目に見えるようだった。この後銀行で口座を開き、家電量販店で会社用のパソコンとその周辺機器も購入した。当面は今のマンションが事務所になるので、机や椅子など事務所用品を購入した。そして会社の印鑑のオーダーも済ませた。
夕方近所のレストランで会社設立記念の乾杯をした。

「後は書類関係を作って提出するだけです。」
「お疲れ様でした」

俺は今日一日で杏の凄さを見せつけられた。手際の良さ、判断の速さそして多方面に渡る知識の豊富さ凄い女性だ。彼女がいるだけで、会社の成功が約束された様に思えた。



To be continued .........
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