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秘蜜のバイト始めました
第3章 え? 女の人とするの?
お店を出たときには、夜9時を回っていた。

夜風が火照った顔に心地よかった。

「ご馳走様でした、杏果さん」

私は礼を言って、お辞儀した。

「お礼は社長に今度会ったときに言って、今日のスポンサーだから」

「はい!」

私にとって忘れられない一日だった。まだまだ興奮が収まらない。

それに、なぜだか杏果ともう少し一緒に居たい気分だ。

「あの……杏果さん、もう少し付き合っていただいても良いですか、わたし、なんだかアドレナリン出まくりで……このまま帰るのは……ちょっと寂しい」

「クスっ、いいわよ、だったら、私の部屋へ来る?」

「良いんですか? ご迷惑じゃないですか?」

「平気よ、一人暮らしだし、ちょうど私も寂しかったの」

杏果が私を見つめる目が、昼間のものと違っているように感じる……

「タクシーで帰りましょう、その方が早いわ」

杏果が手をあげ、タクシーを拾う。私も乗り込み、二人は杏果の住むマンションへと向かった。


揺れるタクシーの中、私はつい眠くなり、杏果の肩に頭を乗せて、ウトウトしてしまった。


「紗栄子ちゃん、起きて、降りるわよ」

一瞬、眠ってしまったようで、私は杏果に促されて、タクシーを降りた。




杏果の住むマンションは、目黒にあり、少し広めのワンルームだった。


「うわ~、杏果さん、凄いところに住んでるんですね、立花企画って、お給料良いんですか?」

「まさか、私くらいの年齢の平均的な給料より低めよ」と杏果は笑った。

「私、YouTuberなのよ」




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