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ご褒美のあとは
第3章 カードゲーム
二枚、また二枚…とみんなの手札が減っていく。
一番最初に抜けたのは充輝先輩だった。その次は高志先輩。

その時になって初めて、手元にジョーカーがあることに気づいた。

「ぁ…、」

気づいた次の瞬間にジョーカーじゃないほうを持っていかれて、思わず声が漏れる。

「やったぁ、ビリはまぬがれたっ」

心底ほっとしたように、豊先輩がガッツポーズをした。


「では、王様から最初の命令。罰ゲームに乾杯っ」

充輝先輩がグラスを掲げて鳴らして回る。先輩たちが一気に飲み干したから、私も一息でグラスを空にした。

甘いリキュールはするりと喉を流れていき、胃を満たす。

あっという間に酔いが深まって、胃から全身へとじくじくとぬくもっていく。
体の中から蒸しているみたいだった。

「…ぁ、っつい……」

柔らかく包み込む熱を少しでも逃がしたくて、襟元を広げた。
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