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ご褒美のあとは
第3章 カードゲーム
グラスを受け取ろうとしても、上手く掴めない。

「…ん、」

伸ばした手は、ふよふよと宙をさ迷うだけ。

見かねた充輝先輩が、そのグラスを口まで持ってきてくれた。

「飲み込んじゃダメだよ」

グラスが傾いていき、強烈な香りが口の中に広がる。

んぐ…

苦しくて顔をしかめていると、優しく撫でるようにあごを取られて、唇が合わさった。

熱い舌が唇をこじ開けようと蠢き、液体が吸いだされる。全部なくなると、豊先輩の唇は溢れ出た液体を追ってあごへ、首筋へと下りていった。

「いつもより美味しいな。もっと飲みたくなる」

そう言って、胸元まで下りていた唇が戻ってくる。
歯ぐきや舌の裏…。私の口の中に残っている僅かなお酒も一滴残らず絡め取ろうとするように、柔らかい舌が傍若無人に這いまわった。

「次の罰ゲーム、いくぞ」

充輝先輩がそう言って苦笑するまで。
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