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ご褒美のあとは
第3章 カードゲーム
先輩たちの傷ついている反応にズキリと胸が痛んだ。それでも開いた口をきゅっと硬く結び直す。

「そんなことありません」

って本当は言いたいけれど、そんなことを言ってしまったらどうなっちゃうのか…もう知っているから。


「もう…、触らないよ」

固く決意した声にびっくりして、充輝先輩へ振り返る。

……な、んで?

頭を撫でてもらうことも、ぎゅっと抱きしめてくれることも、もうないの?

想像しただけで苦しくなって、切なくなって、鼻の奥がつんと痛くなった。
それに混乱もしていたのだと思う。

だから……

「触らないから、五個目は真帆が自分でして?」

そう微笑む充輝先輩に縋りつくように、

「はいっ」

って答えていた。

次の瞬間には後悔したけど、もう遅い。

何とか断ろうとする私に、充輝先輩はその心理さえ見抜いているようなずる賢そうな笑顔を見せた。

その笑顔が、不意に嬉しそうにはにかんだ。
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