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ご褒美のあとは
第2章 甘いおしおき
唇に戻ってきたキスが、軽く音をたてて離れていった。

「…俺のお願い、忘れちゃった?」

少し拗ねたように呟かれて心臓が大きく脈打つ。上手に呼吸ができなくて、俯きながら首を左右に動かした。
絶対に真っ赤になっている顔を隠したくてそうしたのに、高志先輩は許してくれない。あごを掴んで視線が絡み合うまで顔を持ち上げられた。

「言ってみて?」

「……みっ…つ、とも?」

先輩はにっこりと微笑んで、無言で先を促す。

三日間先輩たちを避けてきたことが、高志先輩のお願いを無視していることになるのは、叱られるまでもなく分かっている。だからこそ尚更、この場から逃げたかった。
なのに、高志先輩から離れたくないのも本心で困る。

「一緒にお祝いする…のと、」

観念して答え始めると、先輩は気遣うように優しく背中を撫でてくれた。

「できるだけ一緒にいる……のと、」

先輩の瞳がゆるりと輝きを増していく。
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