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ご褒美のあとは
第2章 甘いおしおき
高志先輩の腕の中に戻りたい衝動と戦ってみても勝てるはずもなくて、我慢した分だけ胸が苦しくなる。
先輩の指を掴んでそっと引っ張っると、おずおずと顔を上げた。

避けてるって、ばれてないって思っていた。
ううん、ばれても許してくれるって甘えていた。

先輩たちが傷つくって、少し考えたら分かることだったのに……

「ごめんなさい……」

先輩は指を絡ませてきて、そっと、けれど強く握った。
指先から伝わる愛情に、心がじわじわと暖かくなっていく。

「嫌われてないのが分かっただけでも、かなりほっとした。けど、なんで避けてたのか言ってくれないと納得出来ないよ」

そう…、だよね。
でも、言えないよ……

「答えたら、返してあげる」

視界の端でインナーがヒラヒラと舞う。

わ、忘れてたっ

「あ、あの…っ」

すっかり忘れてたっ

「返して下さいっ」
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