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ご褒美のあとは
第3章 カードゲーム
「じ、自分で出来ます。だから、豊先輩はお風呂入っていてくださいっ」

体を隠したまま叫んだら、豊先輩は悲しそうに口を尖らせてしまった。

自分で。

そう言った私を信じて二人が待ってくれる。けれど、見つめられながら両手を上げるなんて出来るはずがない。

でも、上げないと。

そう思うのに、体が固まってしまったみたいに動けない。

「ほら、上げて?」

充輝先輩はサラシを私の胸のあたりに持ってくると、優しく言い聞かせるように囁いた。

何とか腕を浮かして少しだけ出来た隙間に、サラシが入り込んでくる。充輝先輩のゴツゴツとした手が布越しに胸を包み込んだ。

「俺も手伝うっ」

遊びに参加したくてじっとしていられない子供みたいに、豊先輩が体を揺らす。

「豊はシャワー浴びる」

充輝先輩はサラシを巻く手を止めることなく、静かに言い放った。
渋々バスルームに入っていく豊先輩にほっとしたら、充輝先輩に意地悪く微笑まれてしまった。
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