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イキ狂う敏腕社長秘書
第4章 【甘い蜜と策略】
「ほら呆れてる……外した後別件の話になっちゃって…それでそのまま持ち帰らずにデスク戻ってからそれに気付いて…」
「意外と抜けてるとこあるんですね」
「うぅ……それよく言われる」
「とにかく探しましょう」
「え、手伝ってくれるの?青のUSBメモリなんだけど」
「きっと落ちてるんですよ、2人で探した方が早いです」
「ありがとう」
椅子を退けて探し始める。
会議室のテーブルは長方形で足元は見えない造りとなっている為、全部一つずつ退けて確認しなければならない。
座っていた席はくまなく探したが見つからなかったらしいから。
両端からスタートして最後のテーブルの椅子を退けた時、何か落ちているのに気付いた。
「あっ!」
お互い声が出て咄嗟に潜り込んだ。
手を伸ばした時に同じタイミングでテーブルの下に居ることにハッとして思わず頭を上にぶつけてしまう。
「痛っ!」
このセリフも同時に言っていた。
テーブルの下はかなり狭い。
しかも一番奥。
「あ……ごめん」
思った以上に顔の距離が近いので意識せざるを得ない状況。
先に目を逸らしたのは私の方で、誤魔化すようにUSBメモリを拾った。
「これですよね?あって良かったです」
手渡すけど受け取ってもらえないから仕方なく再び目を合わせる。
ドキッとした。
真っ直ぐ見過ぎでしょ……かなり恥ずかしい。
「ありがとう……うん、これで合ってる」
「もう落としたりしちゃダメですよ?大事なデーターが入ってるんですから」
「うん……それより頭ぶつけたの大丈夫?」
さすりながら笑う。
実はさっきから地味に痛かったりする。
「はい、何とか。一ノ瀬さんこそ大丈夫ですか?一緒にぶつけてましたよね」
「うん、大丈夫だけど…狭いね此処」
一ノ瀬さんの長い脚が所狭しと膝を立てている。
慌てて立ち上がろうとしたらまた頭をぶつけるという大失態。
必死に謝り続ける一ノ瀬さんにも顔を向けられないほど穴があれば入りたい状況だ。