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イキ狂う敏腕社長秘書
第5章 【妖艶にして耽溺】
「ハァ…ハァ…ハァ……」
キングサイズベッドから降り下着を着ける。
そそくさと服を着る私に後ろからハグするのは射精し終えたばかりの一ノ瀬さん。
「帰っちゃうの?」
「え、はい…」
しれっと何で?みたいな顔をする。
怯んじゃうかな。
ストッキングもスカートも履いて整えた。
「ごめん……下手だった?」
ベットの上で正座して言うもんだから慌てて顔を包みキスをした。
言葉足らずでごめんなさい…と釈明。
悲しそうな目に首を振る。
「実は私……こういう人間なんです」
「え…?」
「こんなんだから……すぐ恋人出来ても長続きしないんだと思う」
「え、どういうこと?ちゃんと知りたい、教えて」
全ては言い訳に過ぎないけどこういうキャラも良いかなって口が勝手に喋る。
「どうしても自分の時間を大切にしたいというか、人に邪魔されたくない時間というか……とにかく1人で居る時間は崩したくないの、長年やってきたことだからごめんなさい」
「あ、読書の時間とか?そういうのわかるよ、自分にしかわからないテリトリーみたいなもの」
「そうなんです、だからLINEとかもマメに返せないし完全にオフモードに入るので急に外で会ったりも出来ません」
「そっか……そうだよね、昼間はあんなに忙しい業務こなしてるんだもんね、プライベートは自分に費やしたいよな」
「あ、でも一ノ瀬さんと一緒に居たくないとか言ってるんじゃないです……ちゃんと好きです、そのテリトリーみたいなものもいずれは好きな人と過ごせる時間になれたら良いな…と思ってます」
ホッとしたのか優しく笑う。
不器用なふり……いつから出来るようになったのだろうね。
完璧な昼間の自分とはウラハラに、恋愛となると汐らしいくらいが丁度良い。
ギャップの演出に萌えてください。
「で、今から帰って何するの?」
「えっと……メイク落として1時間半身浴、髪のお手入れしながら明日の業務確認、読みかけの電子書籍読んで、新刊リサーチしたり…あとネットでショッピングしたり……あとは…」