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イキ狂う敏腕社長秘書
第1章 【悪魔の囁き】





不謹慎だ……社長は既婚者の立場であるのに。
しかも会社のトップである身で部下に手を出すなんて。
決してあってはならない事だ。




「それはつまり……キスで癒やすってことですか?」




真面目に聞き返す私も私だ。
逆に慌てさせる事にもなり申し訳なく思う。




「すまん、俺は何をやってんだろうな?悪い…!」




「そんな……頭上げてください」




「ごめん、ちゃんと線引きするよ……だからっ…」




まさか自分が本能で動いてしまうなんて思いもしなかった。
社長の言葉を遮り自分の意思で唇を重ねる。
誘惑……してしまった。
明里さんの指示通り動いたことになるんだろうか。




社長が可愛くて……素敵で……触れられた瞬間、理性が吹き飛んだかも知れません。
自分でもよくわかっていない。
なぜ、社長とキスしているのか。




「これで良いですか?慣れてなくて…下手ですみません」



「普段完璧に秘書してくれてるのにそのギャップは反則だよ」



目を逸らすと再び社長のキスが舞い降りた。
さっきより深く、舌が入ってくる。



「俺が教えるから」



痺れるセリフ……もう溶けちゃいそう。



立ってるので精一杯。
そっと壁側に立たせてくれた。



「悪い……どこで線引きすれば良いのかわからなくなる」




何度も角度を変えて舌を絡ませ合う。



「可愛過ぎるよ……真田さん」



再び近付く唇を手で阻止した。
これじゃいつまで経っても終わらない。
我に返ったのか謝る社長にどんな顔で言ったのかわからないけど、これが社長を引き戻れなくさせたみたい。



「キス以上はダメです……そこで線引きしてください」




「キスは嫌じゃないんだね?そう受け取っていい?」



答えれず見つめ合っていたら腕時計を見て時間を確認している。



「キミの就業時間まではまだ時間がある……いいね?」



あと5分……



「でも、準備しなきゃ…」



「今日は良い……今はキミだけを感じていたい」



あ……この瞳、ヤバい。
何も言い返せなくなる。
こんな風に一線越えた関係になってしまって良いわけがないのに抵抗出来ない。
もっと欲しいって思っちゃってる。













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