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イキ狂う敏腕社長秘書
第1章 【悪魔の囁き】
どんな言い訳を並べてももう遅い。
罪だとわかっていながら許してしまった。
私は、社長と不貞行為をしてしまったの。
だからといって、仕事は仕事。
決して引きずってはならない。
私は、秘書であり社長の右腕なのだ。
いや、まだ右腕とまではいってないが。
就業時間となればきちんと切り替える。
例えどんな小さな報告であろうと臆することなく堂々と職務を遂行した。
今日も変わらず忙しくて良かった。
気を紛らわす事が出来る。
来客が帰った後も、次の会議が迫っている為ゆっくり会話も出来ないほど。
タイミングをズラしてでないとランチも取れない。
議事録を打ち込みながら次の会議資料も作成中。
「真田さん、ランチ先に行こうか」
デスクにまで来て社長が声を掛けて来てくれたけど手が離せそうにない。
「あ、午後からの来客時にパパッと済ませちゃうんで社長お先にどうぞ」
立ち上がり会釈する。
社長室の前に待機している秘書デスク。
「そうか……」と寂しげに去って行く。
どうしても先に済ませておきたい作業なので仕方ないよね…?
そうなると思ってサンドイッチ買って来てるし。
午後からもスケジュールが埋まっている。
どうにかして空いた時間にコーヒーを淹れてデスクに持って行くと疲れてた顔がパッと明るくなってニッコリ微笑まれた。
あ、ここで私も笑顔にならなきゃ。
見惚れていてはダメだ。
何だろう、社長の笑顔こそ破壊力がある。
安心……出来る。
次の来客まであと20分。
ほんの一瞬だけ休めるひと時なのだ。
邪魔をしないように礼をして退室しようとした。
「あ、真田さん」
「はい」
振り返るともう立ち上がりこちらに向かっていて瞬きした頃には両肩に手を置かれていた。
「はい、肩の力抜いて?そう……じゃ、後ろ向く」
そのまま反転させられ社長に背を向けさせられる。
触れられたところがすでに熱く疼いているのにフワリ…と腕の中に包まれてしまう。
て……展開早過ぎます。
今日の朝、ああなっちゃったばっかですよね?
「何でも器用にこなしちゃうんだね?」
耳に吐息がかかりビクッとする。
「えっ………」