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イキ狂う敏腕社長秘書
第1章 【悪魔の囁き】
「もうこんな鬼スケジュール嫌だ……」
「す、すみません…!何とか調整し直します」
「いや、良いんだ。真田さんが来る前はもっとだったから。来てくれて、こんな頑張ってくれてて感謝してるんだ」
「そ、そうですか」
「ちょっと我儘言ってみたくなっただけ……ごめんね?こんな俺は幻滅しちゃう?」
「あの、幻滅はしないです……尊敬してます、この仕事量をこなせるのは社長しか居ないと思います」
「もっと褒めて?やる気アップするから」
「は、はい…!社長は凄いです」
「真田さんにそう言われると嘘でも嬉しいよ」
「嘘じゃないです…!」
そう言いながら顔を上げてしまった。
後ろからハグされてる状態なので物凄く顔が近い。
ヤバい…!と顔を前に向ける。
「ねぇ、慣れてなさそうな素振り見せる割には結構ドライだよね?仕事中」
「そ、それは仕事中だからです」
「もうちょっと意識しちゃったりするもんじゃないの?」
目が泳ぐ。
え、意識…?どんな風に?
なるべくそうならないように徹していたのにもしかしてそれを注意されてる?
「俺のこともっと意識してよ……こうやって拗ねちゃうくらい普段通りなんだもん」
今度は肩に頭を預けてきた。
どうしよう……この距離感。
甘えてきてる社長はとんでもなく可愛い。
でも今は私は秘書。
次のアポももう迫ってる。
「しゃ、社長……お願いですから離れてもらっても良いですか?」
「え?あ、ごめん…!こういうの困るよね?本当にごめん、俺…」
思いきって振り向いた。
自分の顔が真っ赤なことくらい重々承知している。
社長を責めるつもりはありません。
ただ、私がキャパオーバーなだけ。
ブンブンと首を振った。
「いえ、これ以上社長に触れられたら…どうしていいかわかんなくなっちゃうんで…だからせめて秘書だけは全うさせてください…!ミスしないようにどれだけ必死か…」
ヤバい……泣きそう。
バカ!泣いてどうする。
社長を困らせるだけじゃない。
それでなくてもさっきから謝られてばっかなのに。
「お願い……もう乱したりしないで…っ」