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イキ狂う敏腕社長秘書
第1章 【悪魔の囁き】
張り詰めてたのに溢れちゃった。
たったの半日で。
本当はドキドキしてヤバかった。
何でもない顔してめちゃくちゃ意識してた。
今朝のキスがずっと脳裏に蘇って唇ばっか見てしまう自分が嫌だった。
今日の仕事もこの後の来客が終わればほぼ終了だ。
どうにかこうにかして切り抜けられると思ってたのに。
どうして………?
どうしてまた社長の腕の中で触れ合ってるの……?
乱さないでって言ったのに……
一度燃え上がってしまった想いはそう簡単には鎮火しない。
「今の顔は完全に煽ってるでしょ」
「煽ってなんか…」
「ほら、今も…」
重なる唇はなかなか離れない。
大人のキスに酔いしれていく。
またしても私が止めに入る。
「社長……もうお時間です」
お互い息を乱して肩が動いてる。
少し曲がったネクタイを元通りにして。
「最後の商談もビシっと決めてください」と微笑みかける。
「敵わないな、真田さんには」
それはこっちのセリフです。
社長のキスに腰を抜かすところでした。
いきなり濃厚で全部持っていかれちゃう大人のキス……溶けそう。
危なかった。
急展開過ぎて頭が追いついてない状況。
私、この先大丈夫なんだろうか。
初日からもう……自信ない。