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イキ狂う敏腕社長秘書
第1章 【悪魔の囁き】
「社長っ…ダメです…これ以上は…っ」
「わかってる……わかってるよ」
全然わかってない……
離れても離れても社長の唇に捕まっちゃう。
あの舌に絡まれたらどんどん淫らになって変な声が出ちゃうの。
それが返って社長を煽ってることになって益々放してもらえない。
そのうち立ってられなくなって腰から支えてもらう。
「その顔、本当反則……」
え、ちょっと待って……
固いのが……当たってる。
もう退社時間を過ぎてほとんど会社に残っている者は居ない。
社長室もバインダーカーテンを下ろして照明を落としてしまった。
どうしよう……抵抗出来ない。
私自身が……求めてる。
社長が欲しいって思ってる。
でもダメ………さっきからずっとこの繰り返し。
心の葛藤が続く。
「もう少しだけだから……」
そんな曖昧な言葉でまた許してしまう。
なんの根拠もないのに。
駄々をこねられることに少しホッとしてる。
お願い……今だけは大人な対応しないで。
キスだけで……終わるはずがない。
ドサッと押し倒されたのはソファーの上。
「すまない……野獣な大人で」
「え……」
「嫌なら押し倒すなり大声出すなり抵抗してくれ…止まりそうもない」
そんな色っぽい言い方ズルい。
確かに私を押さえつけたりはしていない。
逃げようと思えば逃げれる。
一番肝心な時に私に決めさせるなんてそんなの………
上着を脱ぎ捨てネクタイを緩める。
たったそれだけの仕草にときめいてしまう。
ゴツゴツしてるけど長い指。
朝と少しだけ違うとすればきちんとセットされてた髪がほんの少し乱れてる。
ワイシャツにベスト。
ソファーに私を押し倒し手をついている。
見つめ合う視線は次第に揺らいでく。
どうして、この人の前では弱い自分を曝け出してしまうのか。
またしても溢れ出てきてしまう。
思わず自分の顔を覆った。
困らせちゃう……でも止まらない。
「真田さん……」
上からそう呼ぶ声。
肩を震わせながらこめかみの方まで零れ落ちる涙。
「ズルいです社長……結婚されてるじゃないですか……なのにそんな言い方」