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イキ狂う敏腕社長秘書
第9章 【孤独の先にあるもの】





「キミ…?随分と距離が空いてしまいましたね」




2人きりなのに……もう呼んでもらえないんですか…?




「呼んでもいいか?また前のように近付いても?」




「近付く…?触れる、の間違いでは…?」




ようやく社長に向けた微笑み。
握り締めた手に額をつけて「ありがとう」と言われた。
「失礼します」とソファーへ腰掛ける。
隣に社長も座ってくれた。




「妊娠……してなかったんです」




そう言うと神妙な顔つきでこちらを見つめてきた。
ギュッと握る手に力がこもる。




「それは、俺にとって喜ぶべきことじゃないけどそれ以上に苦しめたり不安にさせたり本当にすまなかった」




「もっと早く報告すべき事でしたけど……こんな関係になった以上、言い出し辛くて」




「わかってる………俺が全部悪い」




「あ、珈琲冷めちゃいます」




デスクに置いた珈琲を気にするとそのまま抱き寄せられた。
久しぶりに感じる社長の体温と鼻腔に広がる香り。




「社長、勤務中です……」




「今だけ許してくれ……」




誰か来るかも…というドキドキ感とは裏腹に、私自身も今だけは…と浸りたくなる。




ほんの数秒間で身体は離れ見つめ合う。




そんな色っぽく見つめないでください。
勤務中なので逸しますね。




「呼んでいい?名前」




いちいち許可取ります?
不安で仕方なかったのは社長も同じですよね。




「ダメです………呼んだら、キスするでしょ?」




先回りして理性を抑えてあげる。
優しく諭してまだ待てをしてみようかな。
グッと距離を詰めてきた。
腰に手を回し私の視線を奪う。




「するよ、もう限界だ……」




あ………この瞳、動けなくなるやつだ。
一瞬の隙きをついて唇が重なる。
触れたところからジワジワと熱くなっていく。
必死に抑えてた衝動が目を覚ます。




待って………そんなに激しく舌を絡ませたらこっちの理性が……っ。




ダメ………これは絶対に止めないと最後までいくやつ。
顎から首筋へと舌を這わせた時に一気に距離を取る。












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