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イキ狂う敏腕社長秘書
第9章 【孤独の先にあるもの】
「あ、月末……生理と重ならない?」
「アハハ、うん、それも大丈夫だと思う」
「良かった〜」
グイと再びネクタイを引き寄せる。
もう唇が触れそうな距離。
「何イケナイ事考えてるの?たっくんは」
「そりゃ考えるでしょ、美雨、おあずけし過ぎ…」
それもそうか。
付き合ってるんだもんね。
「じゃ、当日までおあずけしちゃお…」
「えっ!それはナイでしょ」
「え、何で?時間ないんだけど」
「え、お願い!キスだけ」
「どうしようかな……」
なんてウソ。
こんな一言で機嫌直してくれるんだね。
単純なキミが好きだよ。
たっぷり焦らしてチュッて触れる。
微笑み合ってまた触れる。
抱っこされてテーブルに座らされた。
「1分だけだよ……」
そう前置きして首に手を回す。
濃厚なキスを与えた後、急いで自分のデスクに戻った。
分刻みで立ててたスケジュールを立て直す。
この苦労、キミたちにはわからないだろうな。
何食わぬ顔で会議に参加し暗黙の了解で赤の他人を演じきる。
この中で半数以上関係を持っているなんて誰が予想出来るだろうか。
一見クールな秘書はとんだビッチだったなんてよくある事じゃない?
「お疲れ様でした」
今日はピアスを触らない日。
何気ない視線は感じてる。
期待しないで、当分課長とはないです。
課長なら引く手あまたでしょ?
すぐ他に良い人……もしくは新しいセフレ見つかると思います。
一ノ瀬さんは終始ご満悦ですね。
あの約束が効いているんでしょう。
お手洗いにて湊くんからのお誘いに断りのメールを入れる。
週末は悶々としててね。
「社長、急で申し訳ありませんが明日、半休頂いても宜しいでしょうか?」
明日の午前は会議もアポもない。
無理やりそう仕向けた。
私が居なくても回るだろう。
キョトンとした顔で私を見つめる社長は理由を聞きたそうにしているが飲み込んだようだ。
「そうだな、休める時に休んでくれ」
「ありがとうございます、午後からは出社しますのでもし何かあれば連絡ください」