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イキ狂う敏腕社長秘書
第2章 【緊縛の底知れぬ快感】
「もう、そんなに笑います?こっちは真剣なんですから…」
「ごめんね?あまりにも面白くて」
2人して笑い合う。
携帯を取り出し交換し合った。
えっ……!?
思わず彼を見上げるとニッと笑う。
「俺、マーケティング部の一ノ瀬です」
「ええっ!?」
「覚えてます?俺の隣によく居るヒョロっとした奴」
「あ、はい」
確かにいつもサブでついてらっしゃる人が居る。
顔もよく覚えてるけど、あれ?名前が思い出せない。
「その人が木田くん。で、俺は一ノ瀬拓人です」
「す、すみません…!」
「俺、そんなに影薄いかなぁ?木田だと思われてたんですね、ハハハ」
笑いながらめっちゃヘコんでる。
サブの方がキャラ強かったんだもん。
ごめんなさい。
小さくなる私をまだ笑う一ノ瀬さん。
その場で(イジワル…)とメッセージを送った。
(ごめんなさい、真田さんのリアクションが面白くて…)
目の前に居ながらメッセージのやり取りを続ける私たち。
(もう覚えました)
(やった!今度テストしますよ?)
(望むところです)
(可愛いです、いつも)
え……?
顔を上げたら目が合う。
「このままの関係終わらせたくて勇気振り絞りました……もっと真田さんのこと知りたいです、少しずつで良いんで俺のことも知ってもらえますか?」
「はい」
「え、じゃあ…お友達から始めるということで良い?」
「こちらこそ宜しくお願いします」
「やったぁ!」
こんなに素直に喜べる人って良いな。
心が洗われていくようだ。
ほんわかした空気が漂うその時、車道側からクラクションが鳴る。
停車し降りてきたのは真紅のワンピースに身を包んだ明里さんだった。
「美雨ちゃん、お待たせ」
颯爽と現れ会釈する私と、見る見るうちに顔が強張っていく一ノ瀬さん。
「お疲れさまです」と深く頭を下げ挨拶するもチラッと見ただけで緊張してる彼を鼻で笑う素振り。
「あら、お邪魔だった?」
「あ、いえ」
「そうよね?先約は私だもの」