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イキ狂う敏腕社長秘書
第2章 【緊縛の底知れぬ快感】





そう言って明里さんは私を自分の方へ引き寄せた。
強引にも「じゃ、借りるわね」と車へ誘導する。
一ノ瀬さんに頭を下げ、乗り込んだ。




そうだ、今日の約束とは明里さんだった。
先約の相手がまさか社長婦人だとは思わなかっただろう。




「彼は?」




「マーケティング部の一ノ瀬さんです」




「ふーん、口説かれてたわね」




「いえ、そんなんじゃないです」




「急にモテ出した?やっぱり秘書って肩書きは最高の武器よね」




「そんなことの為に秘書してる訳じゃありません……というより何処へ向かってるのですか?」




「それは着いてからのお楽しみ」




ていうか明里さん……何気に運転荒い。
酔いそう。
しっかり捕まって揺れを最小限にする。




「で、早速本題ね?あの人のことは誘惑してくれたんでしょ?」




「えっ…?」




「急にモテ出したみたいだから確信したわ」




「は、はぁ……」




どうしよう……どう答えるべき?
隠し通す…?社長はそうするはず。




「抱かれたでしょ?フェロモンがだだ漏れなのよ……だから男が群がってくる。あの人、女を抱くと皆そうなっちゃうの」




「え…?」




ヤバ……動揺してるの見抜かれた!?
きっと見逃してないはず。




「まぁ、そのお陰でどの女と浮気したかすぐ見抜けるようになったけどね」




何も言い返せない。
何も言葉が出て来ない。
黙るということは認めてるのと同じ。
何もかも見透かされている。
全て知った上で指示したの…?
それに何のメリットがあるんだろう?




「大丈夫、訴えたり左遷したり腐った人間がするような事はしないわ」




運転する横顔を見つめた。
チラッとこっちを見て微笑み前を向く。




明里さんが何を考えているのか全く想像もつかない。
私はこれからどうなるんだろう。




「勘違いしないで欲しいから先に言っておくけど、あなたが身を引くなんて考えは捨てなさいね?つまり、不倫は続けなさい……周りにバレないようにね」




「え…?」




心が凍てつく…とはこのことか。
目だけ捉える場所が定まらない。











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