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第3章 【覚醒する心と身体】

「美雨のする顔、する仕草や言い草全部……俺を刺激してんだよ？誘ってるのは美雨の方だから」




「そんな…っ」




そんな事ないって言おうとしたのにもう塞がれてる。
思わず掴んだ手も抵抗出来ずに力が抜けていく。




嗚呼………このキス、ダメなやつ。
もう逃げられない。
捕まったら最後。
自分からは離れられないキスだ。
受け入れてしまった。




「そんな顔したらやめれなくなるよ？余計に煽ってる」




どんな顔したのかわからない。
か弱い力で抵抗してみても、これも煽ってることになるの…？




「じゃ……何も出来ないじゃないですか私」




「俺の前では本音隠さないで良いよ……本当は美雨もしたいだろ？本気で嫌ならちゃんと抵抗して？」




「ズルい……そんなの」




「こんな昼間からこんなところで美雨を襲うなんて背徳感あってゾクゾクしない？俺はいつでも美雨に欲情してるよ、美雨の色んな表情に射抜かれてる」




「卑怯です、そんなセリフ……」




「卑怯だよ、ごめん……でも卑怯にならないと美雨のこと手に入れられないから。どんな手を使ってでも美雨を抱きたいって思ってる……美雨が欲しいよ」




胸の奥から熱くなるセリフ。
美雨だけだよって脳が麻痺してくる。
一体何人に言ってきたんですか。
まんまと手のひらで転がされる。
甘い声に導かれていくのだ。




肩に回った手が髪に触れて優しく撫でる。
自ずと目が合って、身体が疼き出す。
まるで獲物を捕らえたかのような余裕のある眼差し。




「美雨も俺が欲しいだろ？」




確信してる。
こうなることを最初からわかっていたの…？
最初のキスから仕組まれていた…？
煽るのが上手なのは社長の方じゃないですか。




ゆっくりと頬に触れてしまう。




どうしてこんなに恋しくなるの…？
どうしていとも簡単に火照ってしまうの…？
どうしてこの身体はもう抗えないの…？




「欲しいに……決まってるじゃないですか……本当ドSですね社長は……そういうとこ、嫌いじゃないけどこんな我儘困ります」




「困らせたいんだよ……美雨のその顔見たさに意地悪しちゃうんだ、ごめんよ」




「許しません……今の社長は」