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イキ狂う敏腕社長秘書
第4章 【甘い蜜と策略】





「やっぱりちゃんと話そう?」




「もう戻りましょう?こんな関係……破綻を招くだけです」




「え…?」




「まだ間に合います……社長と専属秘書に戻れば全て上手くいきますから」




「じゃ、その涙はどういう意味?どう言い訳するんだ?」




「わかりませんか?」




「え…?」




「好きな気持ちに蓋をすると決意してるんです……だからもうこれ以上踏み込んで来ないでください、最後の忠告です」




「美雨、話をしよう?」




「話す事はないです、明日から…いや、今から上司と部下の関係以外何もないです、お疲れさまでした」




マンションに入り社長を振り払った。
オートロックだから入っては来れないはず。
「待ってるから」って外から聞こえた気がする。




待つって何を?
何を話し合うって言うの?
これからの事なんてひとつしかないじゃない。
元の関係に戻るだけ。
それか私が退くか。




それはまだ負け犬みたいでしたくない。
辞めるなら後任を見つけてからだしきちんと引き継ぎしてからじゃないと会社に迷惑がかかる。
イコール……社長にも。




掴まれた跡がやけに熱い。
頭から追い払うようにシャワーを浴びた。
ドライヤーした後でチラッと窓から下を覗くとまだ立っていてびっくりした。




えっ……?ずっと居るの!?




あれから1時間は経ってる。
携帯で喋ってたり終わればこっちを見上げていたり……
気付けば私もチラチラと気にして一向に眠れない。




ねぇ……まだ居るつもり?
明日も仕事でしょ?
キャンセル出来ない事案ばかりだよ?




さっきからずっとメッセージが届いてる。
全部未読無視。
話す事なんてないの。




ベットに潜り無理やり寝る。
電気を消したから寝たって思うでしょ。
だから諦めて帰って。
もう何も期待しないで。




静かな部屋に突如、ポツポツと音が聞こえてきた。
包まっていた布団を剝ぎ、窓を見る。




「えっ……ウソ、雨!?」




何これ………ドラマのような展開。
雨が降り出して徐々に雨足も強くなってきた。
変わらず同じ位置に立ち竦む社長の影。




風邪ひいちゃうよ。
早く帰って。
今日は諦めて。












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