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イキ狂う敏腕社長秘書
第4章 【甘い蜜と策略】





きっと何もかもお見通しなんだろうな。
社長の行動全て把握している気がする。




用意していた男性用の下着とスウェット上下。
いつの日か…と社長の為に買い揃えていた。
それがこんな日に着ることになるとは。




「これ……誰かの?」




「こんな時に疑うんですか?社長に買ったつもりだったんですけど」




言わせないでよ。
珈琲を淹れながらツンケンした態度。
勿論、後ろからハグされる事も想定内で。




「ごめん……俺以外に誰か此処に来たんじゃないかって思ったら不安になっちゃって」




まるで恋人同士のような会話。
浮気したしないの先に待ってるのは継続か別れ。
私たちの場合はどちらを選択しても辛いだけだ。
わかっているのに断ち切れない。




「珈琲入りましたよ」




首筋にかかる吐息。
やめて……ぐらつく。




「うん……でもまだ、離れたくない」




「離れないと…話出来ない」




「うん、もう少しだけ」




その甘い声に何度絆されてきただろう。
この体温に酷く弱い私はすぐにでも溶かされてしまう。
社長の腕の中が妙に心地良くてしっくりきてる自分が居る。




はっきりわかってしまうのが怖かった。
言い訳出来なくなる。
逃げ道が塞がる。
何処にも行けなくなった気持ちが再び押し寄せる。




どうしようもなく馬鹿だけど………




この腕の中に居たい………
居たい………
居たい………
痛い………




痛いほどこの人が好き………




割り切れる訳ないじゃない。
強がってるのお見通しなんでしょ。
どうせ世間知らずよ、経験ないんだもん。
わかっているのはこの熱くなった想いだけ。




肩を震わせ泣きじゃくる。




振り向いて社長の胸を叩いた。
優しい目で受け止めてくれるのも本当は罪だからね?
こんな私の気持ち奪って何するつもりなの?
責任なんて取れないくせに。




弄んで捨てるつもりならもうここで引きちぎってよ。




「俺には美雨が必要なんだ……これからも一緒に居て欲しいし心から愛しているのも美雨だけだからそれだけは信じて?」




「都合良いことばっか言わないでよ……優しい言葉並べたらコロッといっちゃうって思ってんでしょ?一緒に背負えないならもうここで断ち切って……」










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