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イキ狂う敏腕社長秘書
第4章 【甘い蜜と策略】





「一緒に背負うよ、美雨も背負ってくれる?秘書として……恋人として」




「愛人として………でしょ?」




あなたは結婚してるんだから。




「恋人だよ、初めから。必ずそうさせる。美雨はそのつもりじゃなかった?出逢った時から今日まで…俺は美雨だけを愛していたよ、それでも美雨は辛い?離れたい?俺と……終わりたい?」




シャワー後だから前髪が垂れてて会社で見るような社長の面影は薄く、プライベート感満載な姿を見て更に思う。




誰よりも一番近くに居るのは私。
仕事でもプライベートでも社長を優先して仕えてきた。
こんなあどけない顔も見納め出来る…?




捨てられた子犬のような目で私を待ってた。
断ち切れる…?終われる…?
毎日顔を合わせるのに心は離れられるの…?




溢れる涙を優しい手が拭ってくれる。




「美雨、今の立場で偉そうな事は言えないが…必ず美雨を幸せにしてみせる。だからその日が来るまで俺から離れないでくれ」




典型的な不倫男の良く言うセリフだったとしても、心が揺らいでしまう。
頭では何度もストップかけるのに心と身体は言うことを聞かない。




結局、好きな気持ちに蓋なんて出来ないんだ。




未来が見えないと知りながらも走ってしまう。
藻掻いて藻掻いて苦しくなったら社長が息を吹き込んで楽にしてくれる。
ウソみたいにまた好きになる。




昔よくドラマとかで見てた不倫話。
騙される方が悪いんだって思ってた。
こんなに気持ち入り込んじゃうなんてウソの世界だ…なんて高を括ってた。




実際自分が立ってみて良くわかる。
外から見たら、騙されてるよバカだねって思う世界。
世の中には星の数ほど男が居て、もっと幸せな恋しなよって思わず言っちゃいそうな。




もっと幸せにしてくれる男が絶対現れるよって。
でも実際そんな出逢いもなくて、好きになった人がたまたま既婚者で、不倫の沼にハマってしまっている。
自力で抜け出せなくなっているんだ。




悲しいほどにその人が全てで流されていく。
その手を握り返せばまた同じ繰り返しだよって危険信号に気付いていても渡っちゃうの。
時々人は危険な方へ進んでしまう。










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