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イキ狂う敏腕社長秘書
第4章 【甘い蜜と策略】







「おはようございます、社長」




「うん、おはよう」




「本日のスケジュールですが確認をお願いします」




大丈夫、いつも通り出来てる。
誰も、数時間前まで獣のように愛し合っていた2人だなんて欠片も思わないはず。




会社内ロビーを颯爽と歩いていく社長の後ろに付いて歩く。
社員と挨拶をする際は話を止め、終われば報告を続ける。




エレベーター前で永田課長と目が合った。
社内では仕事以外で話す事はない。
互いに社長にバレると何かと都合が悪いのだ。
だから隠しておこうと結論づいた。
私に限っては好都合な話だけど。




社長に隠れて逢瀬を重ねる、また一味違った背徳さを感じる事が出来るのだ。




自分自身がこれほど典型的な移り気の多い人間だとは思わなかった。
開花したというか……覚醒したというか。
目の前の欲求を上手く処理出来ない。
悶々とした時に寄ってくれば躊躇わず受け入れてしまいそうな。




ヤバい……丁寧な仕事が出来なくなる。
仕事は別物。
今一度気を引き締めなければ。




「きゃっ…!」




廊下を歩いていると急に誰かに腕から引き寄せられた。
ジェスチャーでシッとされ空いてる会議室に連れ込まれる。




「か、課長……午後からの会議準備しないといけないので」




「やっと会えたのに?5分…いや、3分だけちょうだい」




「え…?」




ギュッと抱き締められる。
施錠した会議室でこうして永田課長に求められてしまうのだ。
嫌……ではない。
どんなに急いでいても冷静さを保つ事は社長から教えられた。




私の業務上、そんな急ぐ要件はほぼない。
全て2歩先を読んで行動しているから。
場合によっては数日後、数週間後の段取りも今していたりする。




だから急にこんなことされても困りはしないの。
ただ、焦らしたり与えたり…を繰り返して楽しんでる。




「美雨はずっと我慢出来てたの?」




そう耳打ちされて身体がゾクッと反応する。
会社内では名字呼びで…と伝えてあるのにここでは2人きりだと思って小さな声で呼んでくる。











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