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夏の終わりに
第12章 告白 ①
ゆっくりと千里の背中を撫でながら、抱きしめる腕に力をこめた。
密着する千里の乳房が胸に押し潰されて形を変えていく。その感覚に目の奥がチカチカと眩む。

……っく、

どこもかしこも柔らかくて、千里の甘い香りが鼻孔をくすぐっている。

つい先ほども背後から抱きしめたのに、今、初めて千里に触れたような新鮮さと興奮に襲われていた。千里の感触に意識が傾かないように浩人は必死で堪える。

それでも飢餓感が波のように打ち寄せて、今にも溢れてしまいそうだ。

「……ヒロ兄ちゃん、」

千里のくぐもった声に体が強張り、浩人は慌てて離れようとした。しかし、背中に回されている千里の腕に力がこもり、しっかりとしがみついてきた。

「……ちぃ?」

辺りが鮮やかな光に包まれて、一際大きな歓声が上がる。

千里は切なそうに瞳を潤ませて浩人を見上げていた。
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