この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夏の終わりに
第12章 告白 ①
あの日のこと、ちゃんと謝らないと。
ちゃんと伝えないと。
千里はしがみつき直すと、もう一度背伸びをした。
優しく抱きしめてくれている今なら、何でも話せそうな気がする。
無理に作った笑顔も、眉をしかめて顔を背ける姿も、拒絶した背中もない。
部屋に忍び込んで千里の体を弄ったり、息が出来なくなるほど強く抱きしめたりしてくる浩人もいない。
今の浩人になら、言えそうな気がした。
けれど口を開くと泣いてしまいそうで、千里は何度も開いては閉じて、息を飲み込んだ。想いがどんどん膨らんで、呼吸をするのも苦しい。
花火が打ち上がり、二人は光に包まれる。また暗闇が戻ってきた時、浩人の薄い唇が千里の口に重なった。
チュッと小さく音をたてて浩人が顔を離す。
覗き込むようにじっと見つめられて、千里は何を話したかったのか考えられなくなっていた。
ちゃんと伝えないと。
千里はしがみつき直すと、もう一度背伸びをした。
優しく抱きしめてくれている今なら、何でも話せそうな気がする。
無理に作った笑顔も、眉をしかめて顔を背ける姿も、拒絶した背中もない。
部屋に忍び込んで千里の体を弄ったり、息が出来なくなるほど強く抱きしめたりしてくる浩人もいない。
今の浩人になら、言えそうな気がした。
けれど口を開くと泣いてしまいそうで、千里は何度も開いては閉じて、息を飲み込んだ。想いがどんどん膨らんで、呼吸をするのも苦しい。
花火が打ち上がり、二人は光に包まれる。また暗闇が戻ってきた時、浩人の薄い唇が千里の口に重なった。
チュッと小さく音をたてて浩人が顔を離す。
覗き込むようにじっと見つめられて、千里は何を話したかったのか考えられなくなっていた。