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夏の終わりに
第14章 困惑
「……スーパー?」

千里は虚をつかれたようにぼんやりと浩人を見つめた。

近辺のスーパーはどこも、遅くても八時には閉まる。千里に尋ねるまでもなく、浩人も知っているはずだった。

「探してくれないか?」

「コンビニでも…」

変わらず、ぼんやりとしたまま千里は答えた。

「コンビニは駄目っ」

美也子の置き手紙に書いてあったコンビニ強盗を思い出し、浩人は即座に却下した。
けれどコンビニ強盗の話を知らない千里はますます驚いて、躊躇いがちにスマホを取り出す。

浩人はあからさまにほっとしたように頷いた。


再会してから、三日間。二人は肝心なことはまだ何も話し合っていない。話さないまま、体を繋げてしまった。
だからこそ、ちゃんと伝えるつもりだったのに……

今、拒絶されたんだよね?

真綿で首を絞められたような焦燥感と物憂いさに、千里は唇を噛みしめた。
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