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夏の終わりに
第18章 安息 ①
顔を逸らしていた浩人は、そっと近づいてきた白く細い手を避けるように後退していたことに気づいていなかった。
そのことで千里が、突然訪れた孤独に戸惑い、怯えたことにも。
「ヒロ兄ちゃん……」
「ご…めん……」
滑稽なほどに上擦った声に苦笑する余裕もない。
「……どうして謝るの?」
……どうして?
謝らなければならないことなら、山ほどある。
それなのに、何故聞いてくるのだろう。
答えに窮して千里を見つめた浩人は、次の瞬間、息を飲み込んだ。
熱いシャワーに身を包まれているのに千里は小刻みに体を震わせ、静かに泣いていた。
「……ちぃ、」
泣かせてばかりだ。
ずっと。
それなのに、こんな時でさえ千里の裸に体が反応している。
「リビングに行ってる」
傍にいるべきではない。
千里に触れてはいけない。
そう思って、浩人は浴室を出ていこうとした。
そのことで千里が、突然訪れた孤独に戸惑い、怯えたことにも。
「ヒロ兄ちゃん……」
「ご…めん……」
滑稽なほどに上擦った声に苦笑する余裕もない。
「……どうして謝るの?」
……どうして?
謝らなければならないことなら、山ほどある。
それなのに、何故聞いてくるのだろう。
答えに窮して千里を見つめた浩人は、次の瞬間、息を飲み込んだ。
熱いシャワーに身を包まれているのに千里は小刻みに体を震わせ、静かに泣いていた。
「……ちぃ、」
泣かせてばかりだ。
ずっと。
それなのに、こんな時でさえ千里の裸に体が反応している。
「リビングに行ってる」
傍にいるべきではない。
千里に触れてはいけない。
そう思って、浩人は浴室を出ていこうとした。