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夏の終わりに
第21章 繋がる想い ①
「あ…、」
小さく呟く声が聞こえて、千里はゆっくりと浩人の後を追った。
キスで蕩けた体は思うように動かなくて、何度となく躓く。
洗面所に浩人の姿はなかった。
「あ…、」
開け放たれた引き戸の向こうを見やり、千里も同じように呟いて顔を赤らめる。
正面に見える廊下の壁に、広告を裏返した紙が貼られていた。
そこに書かれている、クセのある字はカズのもの。
“長風呂 禁止
要 厳重戸締り
それから、ベッドですべし”
「やだ…っ」
浴室は音が反響して、外までよく聞える。
夢中になっていた千里は、そのことを失念していた。
浩人と共に助けてくれたのが、カズだということにも気づいていなかった。
全て聞かれていた。
告白も、それ以外のことも。
その事実に、全身が一層赤く染まっていく。
「やだっ」
もう一度呟いて、千里は慌ててバスタオルで体を隠した。
小さく呟く声が聞こえて、千里はゆっくりと浩人の後を追った。
キスで蕩けた体は思うように動かなくて、何度となく躓く。
洗面所に浩人の姿はなかった。
「あ…、」
開け放たれた引き戸の向こうを見やり、千里も同じように呟いて顔を赤らめる。
正面に見える廊下の壁に、広告を裏返した紙が貼られていた。
そこに書かれている、クセのある字はカズのもの。
“長風呂 禁止
要 厳重戸締り
それから、ベッドですべし”
「やだ…っ」
浴室は音が反響して、外までよく聞える。
夢中になっていた千里は、そのことを失念していた。
浩人と共に助けてくれたのが、カズだということにも気づいていなかった。
全て聞かれていた。
告白も、それ以外のことも。
その事実に、全身が一層赤く染まっていく。
「やだっ」
もう一度呟いて、千里は慌ててバスタオルで体を隠した。