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夏の終わりに
第24章 繋がる想い ④
掛け布団から抜け出してきた千里が、腕の中に飛び込んでくる。
浩人は千里を受け止めたが、堪え切れずに二人して床に倒れてしまった。

「…私も、愛してる」

耳元に唇を寄せて、千里が囁く。
浩人は鼻の奥がツンと痛くなり、目の縁から染み出た涙を堪えた。

「ちぃ、」

千里の髪を撫で、しなやかな体を強く抱きしめる。

幼稚で、姑息で、醜く卑劣な人間で、千里を愛する資格などないのに、それでも千里は受け止めてくれる。

畑を元に戻すつもりで外に出ればカズが仕事を終えた後で、テッペー達に話をつけるつもりでユウジに電話すればカズが制裁を加えた後で…、

そんな頼りない俺でも、千里は求めてくれるのだ。

「…情けないけど、千里じゃないとダメなんだ」

顔を埋めたまま千里が小さく頷いた。

「だから、離れないで。…俺も、離さないから」

「うん」

千里をさらに強く抱きしめて、浩人は熱くなる胸に声を詰まらせた。
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