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夏の終わりに
第25章 エピローグ
もごもごと言い訳めいた言葉を繰り返しながら車に乗り込んだ浩人を見やり、千穂はこっそりと微笑んだ。
こちらを見た浩人が後ろめたそうに首を竦めてからハンドルを切ったように見えて、また微笑む。

少し前に千穂は、「急にバイトが入った」ともっともらしい言い訳をした千里を駅まで送ってきたばかりだった。

にやけた顔が止まらないまま、入れ違いに帰ってきた康人を美也子とともに迎え、三人して北森家へと入る。


美也子が康人の夕食の用意をしている横で、千穂はダイニングテーブルに土産のお菓子を広げていった。

「あれは、やったわね」

三人分のお茶を煎れながら、ぽそりと千穂が呟く。

「いたしちゃったわね」

康人の前に浅漬けを置きながら、美也子が返す。

「ぶっ!」

受け取ったお茶を飲もうとした康人が、派手に噴き出した。

「だ、大丈夫?」

心配して千穂が康人の背中を叩くと、康人はぎこちなく断りながら口許を拭った。
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