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夏の終わりに
第25章 エピローグ
「ささささっきから、何の話を」

「何の…って、ちぃちゃんと浩人がさっさと子供作ってくれたらいいのにって話」

「ちぃちゃんはまだ二十歳だよ。早いよ。早すぎるよ」

「康人さん、落ちついてってば」
「そうよ、ほら、深呼吸して。スーハー、スーハー…」

康人は両手に硬い拳を作ったまま、なんとか美也子の声に合わせて大きく息を吸い、吐き出した。しかし、気持ちはちっとも落ちつかない。

「ちぃちゃんは、まだ二十歳だよ。千穂さん、いいの?清吾君だって、許さないよ」

「清吾さんねえ、ヒロ君が相手ならなんだかんだ言いながらも許しちゃうわよ。それどころか、孫の顔見たさに、単身赴任切り上げて帰ってきちゃうかも」

「いいの?いいのか?!?」

「なあに?康人さんは、ちぃちゃんが嫁に来るのが嫌なの?」

「む、むすめ…」

「そうよ、娘。堂々とちぃちゃんのことを“娘”って言えるの。素敵じゃない?」
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