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夏の終わりに
第7章 愛撫
いつの間にか、眠っていたようだった。
廊下から入り込む人工の灯りに気づいて、千里は瞼を震わせる。傍に人の熱と息遣いを感じて薄く目を開き、浩人のシルエットを確かめて、また閉じた。

浩人の手がそっと自分の頬を撫で始める。その動きに、胸が締めつけられていく。

今夜こそ、起きていると知らせようか。そんな思いが掠め、それでも千里は眠っているフリを続けることにした。
目を開けてしまったら、また浩人を傷つけてしまう。そんな気がしたのだ。

浩人の指が唇に触れた。その指が頬から首筋へと移る。鎖骨をなぞり、遠慮がちに下へと撫でていき、パジャマの上から胸の中心を探った。
頼りない刺激にじんと痛む先端を、浩人がそっと摘まみ、軽く弾いて、小刻みに撫でる。

千里は気づかれないようにこっそりと息を吐いた。
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