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夏の終わりに
第7章 愛撫
震える手がパジャマのボタンに触れる。もぞもぞと動き、離れ、しばらくしてまた別のボタンに触れた。

「……っ」

千里は僅かに体を固くさせた。羞恥に顔が熱くなっていく。

ヒロ兄ちゃん……?

心が掻き乱されて、そっと息を吐く。

廊下から入り込んだ明かりは千里の顔を照らしているはずだった。浩人の関心がボタンから逸れたら、簡単に気づかれてしまう。

心臓が早鐘を撞くように激しく鳴っていた。

パジャマのボタンを外して、それで終わってくれるはずがない。その先がある。
それは千里にも分かっていた。けれど、どうすれば良いのか判断がつかなくて踏ん切りがつかない。

そうしている間にも、少しずつボタンが解かれていく。


浩人の喉が鳴る気配がして、鎖骨に触れた手がそっと撫でながらパジャマの襟を割って入ってきた。
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