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夏の終わりに
第7章 愛撫
熱く汗ばんだ手がゆっくりと下へ、中へと滑っていく。片方の指先が胸の突起にぶつかって、浩人は驚いたように手を引っ込めた。


視線を感じるけれど浩人が動く気配はなく、千里は高く鳴り響く自分の心臓の音を今更ながら意識した。
浩人にも聞こえているのだろうか……不安が過る。

しばらくすると、様子を窺うように大きな手が左の胸を包み込んだ。そのまま、また動かなくなる。

緊張や不安よりも胸の痛みが強くて、千里は溢れ出そうになる涙を堪える。
秘かに噛みしめる口に浩人の唇が触れ、舌でつつき、軽く吸って離れていく。また唇が重なった時、胸を包む手が滑り、乳首にあたった指が強く動いた。

「……んぅ」

刺激に声が漏れる。
唇を離れていった浩人の舌が下へ移動して、熱く蠢くものがもう片方の胸を這う。肌を舐め、ちゅうっと音をたてて吸われると、体が熱く疼いた。
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