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夏の終わりに
第10章 休息
鶏肉の下処理をしていると、千里がリビングに戻ってきた。台所に立っている浩人に驚き、慌てて駆けつけてくる。
「おかえり」
浩人は暢気に言いながら切り取った脂を捨てた。
「……ただいま。ごめんね、代わるっ」
「なんで?」
「なんでって……」
困り果てる千里のその表情が可愛くて、浩人はこっそりと唾を飲み込む。
「俺に作らせてよ」
そう言って千里から視線を逸らして鍋の様子を確かめる。
せっかく上手く気を紛らせているのに、取り上げられてしまっては意味がない。
「ちぃは、ゆっくりテレビでも見てて」
「……じゃあ、お願い…します」
千里が渋々頷いて、躊躇いながらも踵を返すと、浩人はほっと肩の力を抜いた。
リビングのソファに腰かけてテレビをつけた千里は、戸惑いを隠すことなくチラチラと浩人の作業を見つめていた。
「おかえり」
浩人は暢気に言いながら切り取った脂を捨てた。
「……ただいま。ごめんね、代わるっ」
「なんで?」
「なんでって……」
困り果てる千里のその表情が可愛くて、浩人はこっそりと唾を飲み込む。
「俺に作らせてよ」
そう言って千里から視線を逸らして鍋の様子を確かめる。
せっかく上手く気を紛らせているのに、取り上げられてしまっては意味がない。
「ちぃは、ゆっくりテレビでも見てて」
「……じゃあ、お願い…します」
千里が渋々頷いて、躊躇いながらも踵を返すと、浩人はほっと肩の力を抜いた。
リビングのソファに腰かけてテレビをつけた千里は、戸惑いを隠すことなくチラチラと浩人の作業を見つめていた。