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夏の終わりに
第11章 花火
ヒュー……
浩人の指が蠢いて
ドォ、ドォンッ
千里の腹部を撫でさする。
ヒュー…ヒュー……
森の冷気に冷やされた風が境内を走り抜け
ドォンッ、ドドォドォンッ、……ドォンッ
それでも二人はじっとりと汗ばんでいた。
誰もが空に夢中になり、感嘆の声を漏らしては次の大輪を待つ。
しつこく鳴いていたアブラゼミも、ジッ……と小さくシンバルを鳴らして黙った。
「全体は見えないか。……ごめんな」
そう言いながらも浩人の手は躊躇いもなく蠢いている。そうしているのが、ごく自然のことであるように。
千里は激しく鳴る鼓動に堪えるように髪を一房だけ握った。
「私が寝ちゃったから……」
真剣に料理をしている浩人の後ろ姿に見惚れ、リズミカルにフライパンの上を踊る熱の音に聞き惚れ、寝不足に瞼が重くなっていった。
千里には、その先の記憶がなかった。
浩人の指が蠢いて
ドォ、ドォンッ
千里の腹部を撫でさする。
ヒュー…ヒュー……
森の冷気に冷やされた風が境内を走り抜け
ドォンッ、ドドォドォンッ、……ドォンッ
それでも二人はじっとりと汗ばんでいた。
誰もが空に夢中になり、感嘆の声を漏らしては次の大輪を待つ。
しつこく鳴いていたアブラゼミも、ジッ……と小さくシンバルを鳴らして黙った。
「全体は見えないか。……ごめんな」
そう言いながらも浩人の手は躊躇いもなく蠢いている。そうしているのが、ごく自然のことであるように。
千里は激しく鳴る鼓動に堪えるように髪を一房だけ握った。
「私が寝ちゃったから……」
真剣に料理をしている浩人の後ろ姿に見惚れ、リズミカルにフライパンの上を踊る熱の音に聞き惚れ、寝不足に瞼が重くなっていった。
千里には、その先の記憶がなかった。